■優れた吸音性能
サーモウールは自作スピーカー・マニアにとっては優れた吸音材として広く知られており、
日本を代表する有名オーディオメーカのエンクロージャー吸音材としても採用されています。
湿度を一定に保ちつつ適切な吸音を行うことから高い評価を得ています。また、天然のウール素材ですので、 グラスウールなどの吸音材と違い手がチクチクすることもありません。
スタジオ内部のアコースティック材としても用いられています。

■ウール85パーセントの理由
サーモウールには、ウール含有量 60% の製品もあります。ウール含有量60% のタイプ(サーモウール60)はポリエステルの含有量が多い分、吸音性能は高いのですが、 調湿性能等が低く、その日の湿度によって音が変化しやすくなります。吸音能力のみで見た場合、85%のタイプより吸音性能が高いのですが、それゆえに誤った用い方をされた場合かえって音の伸びを失ったりするケースもあります。 ですからサーモウールを日本で初めて販売した当社といたしましては、吸音材にはサーモウール85、ウール含有量85% の製品をお勧めさせて頂いております。
吸音材の素材として自然素材が良いことはオーディオファイルの間で昔から知られていました。 当社の販売している高級吸音材サーモウールは厳選された羊毛の一番良い部分だけを使い、抜群の吸音効果を発揮します。
また、ウールには湿度を調節する調湿効果があり、日本の夏のように湿度が90%を超える日でも、 乾燥剤無しで55%程度の湿度に抑える働きがあります。これによりエンクロージャー内の高湿度や過乾燥を抑え、 柔らかでクリアな音質を実現しました。
ウール含有量が高いほうが良いなら、なぜウール100%ではないのでしょうか。
それは日本の湿度に原因があります。皆さんご存知のとおり、どんなに高価な機材をそろえても、
湿度管理ができなければ性能を十分に発揮することはできません。湿度がどれだけ音に影響を与えるか、
皆さんも良くご存知のとおりです。
メーカーの多くは100%ウールを採用していますが、100%の場合ウールのごく近くの湿度しか調節できません。
そのため建築用断熱材などではわざわざポリエステル繊維を少量混ぜています。ポリエステル繊維が混ざることによってよりすばやく、
そして広範に調湿効果を発揮できる、つまり羊毛の持つ力を最大限発揮することができるのです。

ではサーモウール60は吸音材としては使えないのでしょうか。
もちろんそんなことはありません。調湿性能、VOC吸着の機能などが特に必要とされておらず、あくまでも吸音・静音のみで用いる場合(たとえば自動車のタイヤハウスの吸音やフロアマット下など)は60で行ったほうが良い結果が出ます。
ただし自動車のダッシュやドア内部などは窓の曇りを取る効果(調湿)が大きいほうが良いでしょうから85のほうがお勧めです。
ポリエステルの秘密とサーモウール60
羊毛の編込の対象に選んだのは1穴ホローポリエステル です。
以前は4穴ホローポリエステルを使用していました。これでポリエステルの量が多いと、音を吸い過ぎてしまいます。サーモウール60の取扱いが難しかった理由はこれでした。1穴になったことでサーモウール60も取扱いが容易になり、微調整がやりやすくなりました。これは高純度のポリーマーからのみ製造され、医療器具にも使用される安全なポリエステルです。
あえて高価なポリエステル繊維を使用したのは、柔らかさと張りをサーモウールに持たせ、かつ調湿性能を上げるための選択でした。 VFS( Vapor Flow System )と命名された加工を施し、サーモウールの調湿性能を格段に引き上げる結果となりました。 湿度の高いほうから低いほうへ、ホローポリエステルに水蒸気をすばやく移動させる特質を持たせた、画期的な技術です。 これによりウールが吸・放湿する際、湿度をすばやくコントロールすることが可能となりました。 また、このVFS により「サーモウール」内部で結露する危険もなくなったのです。
万一、羊毛の調湿能力が限界を超えてしまうと、当然、内部に結露が生じます。 サーモウールの羊毛はもし結露などで濡れた場合約6℃程度自ら発熱し、急速に乾く性質を持っていますが、 VFS の働きで、羊毛の調湿能力の限界を超えた場合は、余分な水蒸気はサーモウールの外部に排出されてしまうので、 濡れることはありません。 この特殊技術はサーモウールだけの技術であり、 際立った調湿能力を発揮する理由のひとつになりました。サーモウールは二重の濡れない構造を持っているというわけです。






